手の症状
- 手首・手の甲・指の痛み
- 手のしびれ
- 手の動かしづらさ
- 手のこわばり
- 指のしびれ
- 指を曲げると伸ばせない
- 指が痛い
- 手首の腫れ など
手や指の症状を起こす主な疾患
へバーデン結節
指の第一関節(DIP関節)が痛んだり変形したりするようになります。第一関節に小さなこぶ状の結節ができて、複数の指に症状が生じます。
腫れや痛みによって指の可動範囲が狭まり、日常生活の様々な動作に悪影響が及びます。
はっきりとした発症原因は分かっておらず、指の過度な使用や加齢が原因となって生じると言われており、40代以上の女性に多く見られます。
主な症状
指の第一関節に痛み、腫れ、赤みが生じ、腫れや痛みによって緻密な作業や手をぎゅっと握ることができなくなります。
母指CM関節症
親指の付け根にある関節を、CM関節と呼びます。CM関節の軟骨が摩耗し、握ったり掴んだりする際に痛むようになります。
また、症状が進行するとCM関節が変形し亜脱臼することもあります。比較的、中高年の女性に多く見られます。
主な症状
親指を使って握ったり掴んだりする動作の際に痛むようになり、親指の関節の動かしづらさ、親指の付け根の腫れが生じることもあります。
また、親指が付け根から曲がってしまい激しい痛みや親指がしっかり開かなったりする恐れもあり、注意が必要です。
手根管症候群
手根管は手関節付近の手のひら側にある骨と靱帯で囲まれたトンネルで、その中には正中神経と指を動かす腱が走行しています。
靭帯肥厚や骨の変形によって手根管が狭くなり、正中神経が圧迫されると、手指のしびれや痛みが起こるようになります。特に、中高年の女性に多い傾向にあります。加齢、骨折、腫瘍、オーバーユースなどで発症することもありますが、はっきりとした発症原因が特定できないケースもあります。
主な症状
手のひらから親指、人差し指、中指、薬指の親指側半分にしびれや痛みが生じます。緻密な作業が難しくなる、朝起きた時に激しい痛みが生じる、親指に力が入らない、親指の付け根部分が細くなる、寝ている時に痛くて目が覚めるといった症状が代表的です。
ばね指(弾発指)
何度も指を屈伸するなど、指を酷使することが原因となり発症する腱鞘炎の一つです。
腱が通る腱鞘や屈筋腱の炎症による腫れが原因となり、指の屈伸がうまくできなくなります。
症状が進行すると、指を伸ばせなくなり、無理やり伸ばそうとするとバネのように勢いよく動くようになります。
主な症状
指がうまく屈伸できない、屈伸の際に引っかかる感覚がある、指が伸ばせない、無理やり伸ばそうとするとバネのように勢いよく動くようになります。
ガングリオン
腱が通る腱鞘や関節を包み込んでいる関節包の部分から風船状の袋のような腫瘤が発生し、その中にはゼリー状の内容物がある良性腫瘍です。若い女性の患者様が多いと言われています。
発症部位は手首の甲側が多く、掌側では、手首の親指の付け根、または、指先にできることもあります。
さらに、肘、膝、足首などにできることもあります。明確な発症原因は未だ解明されていません。
主な症状
米粒くらいの大きさからピンポン玉くらいの大きさまでサイズは人によって異なり、痛みなどの自覚症状がない場合が大半です。しかし、神経のそばにできると神経を圧迫して、しびれや痛み、手指の動作に支障をきたす恐れもあります。
狭窄性腱鞘炎(ドゥケルバン腱鞘炎)
手首や親指の付け根が痛むことで病院に行く場合、ドゥケルバン腱鞘炎が原因となっていることが多いと言われています。
雑巾を絞るような動作で痛むことが多く、指を屈伸する際にバネのような動きとなる場合もあります。バネのような動きや、朝起きた時の手指のこわばりが起こっている場合、ばね指と呼ぶこともあります。
特に、手首の母指側にある腱鞘とそこを通る腱に炎症が起こった状態のことをドゥケルバン腱鞘炎といいます。母指を開いたり、中に入れたりすると、手首の母指側に強い痛みが走り、この部分に腫れや圧痛を伴います。
なお、手指の痛みやこわばりは初期段階の関節リウマチでも起こり得る症状です。早期発見と早期治療によって、症状の悪化を防ぎ良好な状態を維持することが可能となりますので、気になる症状があればなるべく早めに当院までご相談ください。
腱鞘炎は、手指を酷使することで腱鞘とそこを通る腱に炎症が起こった状態で、腱鞘の部分で腱の動きが悪くなり、腫れた腱が腱鞘の中で引っかかり動きに支障をきたし、痛むようになります。早期発見ができれば、手指の固定による安静や休息や薬物療法、注射によって効果的な治療が可能です。慢性化すると手術による治療が必要となります。
主な症状
親指の付け根部分が腫れて痛みます。
親指を広げる、中に入れるなどの動作をする事で疼痛が強く起こります。
つき指
バスケットボール、野球、バレーボールなどの球技中に、ボールが指にあたったり、転んで指を突いたりすることで発症する指関節周囲の怪我のことを言います。
脱臼、骨折、軟骨損傷、靭帯損傷、腱損傷などの複数の疾患における外傷が該当します。大きく変形している場合は、骨折や脱臼の疑いがあります。重度の皮下出血や関節の腫れが起こっている場合は、靭帯損傷や骨折の疑いがあります。
特に、第一関節を自分の力で伸ばせないことを槌指(マレット指)と呼び、骨折や腱の断裂が原因となっている疑いがあります。
骨性マレットの場合には手術が必要になることもあります。腱性マレットの場合には、基本的には保存治療が第一選択になりますが、陳旧性などの場合には手術が必要になる場合もあります。
TFCC損傷
手首の小指側にあるTFCC(三角線維軟骨複合体)という軟骨と靱帯が合わさった部位では、手首を安定化させる働きをしています。転倒して手をついたり、テニスやゴルフ、バトミントンなどで繰り返し手首をねじる動作をしたりすることで損傷することがあります。
大きな外傷や切り返しの動作がない場合でも、先天的に手関節の骨の形態によって損傷しやすいこともあり、レントゲンで手関節の形態を確認することが必要です。
主な症状
TFCCが損傷すると、手首の小指側が痛むようになります。特に、瓶のふたを開ける動作、ドアノブを回す動作のように手首をひねる際や、手首を小指の方に曲げる際に痛むようになります。
症状が進むと、手首の腫れ、手首の可動範囲の狭小化を起こす恐れもあります。
橈骨遠位端骨折
前腕には親指側の橈骨と小指側の尺骨の2本の骨があります。橈骨遠位端骨折は転倒などで手をついた際に、橈骨の手首に近いところでの骨折です。同時に細い骨である尺骨の一部を骨折することもあります。多くは骨粗鬆症で骨が弱くたっている高齢者に多い骨折です。
骨折部がずれている場合は、手を引っ張って変形を整復し、ギプスなどで固定し治療を行いますが、整復が困難な場合や経過中に再度ずれてしまう場合には手術が必要になることもあります。
関節リウマチ
免疫機能に異常が起こることで、関節内の滑膜増殖し慢性的な炎症を引き起こします。手指などの小関節で痛みや変形、こわばりなどの症状がみられるケースが多いですが、股関節や膝関節などの大関節でもなどでも起こります。
進行すると関節が破壊され、さまざまな機能障害が起こることもあります。全身で症状が起こる疾患ですので、食欲不振、微熱、倦怠感といった症状が起こることもあります。
朝起きた時に痛みやこわばりがあるという初期段階で医師による治療を受ければ、症状の進行を抑えて症状が現れない寛解状態を維持することも可能です。
手の痛みの治療について
手に痛みを感じる、違和感を感じる場合は悪化する前に整形外科を受診するようにしてください。痛みを放置して悪化してしまうとその分治療も長引いてしまうことがありますのでご注意ください。痛みは手首、手の甲、指に起こる可能性があります。
整形外科では、痛みや違和感が一過性の症状か慢性的な症状か診察と検査をもとに診断します。診断結果に応じて、治療方法をご提案いたします。
慢性的な痛み、痛みが強い場合は、まずはその痛みを軽減していくようにします。痛みが軽減してきたら、リハビリを通してその痛みの原因となっている体の使い方について理学療法士と改善していく方法があります。